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解決事例

【インターネット問題】副店長が情報を漏洩し利益を得ているとの投稿について発信者情報の開示が認められた事案


2021.01.15解決事例

インターネット問題:依頼主 50代 男性

相談前

副店長のXさんは、部下から、インターネット上の無料掲示板において、Xさんが顧客の情報を漏洩し利益を得ているといった投稿がなされていると聞きました。Xさんが掲示板を見てみると「副店長は顧客の個人情報を横流しして私腹を肥やしている。あそことは取引しない方がいい」などと投稿されていました。便乗する投稿もあいまって、Xさんに関するネガティブな投稿がたくさん記載されていました。Xさんは、このままでは取引先や社内等からの信用が揺らいでしまうと考え、弁護士に相談することにしました。

相談後

まず、掲示板管理者に対して、Xさんの権利が侵害されていることについて書面で説明し、投稿者のIPアドレス(123.456.789のように、投稿者に割り当てられている数字や番号等の羅列)の開示を受けました。
そのIPアドレスをもとにして当該投稿の際に経由された通信事業者を調べ、当該通信事業者に対して書面を送付し、発信者情報の開示を求めました。
当該通信事業者が開示に応じなかったため、裁判所で争うこととなりました。
結局、発信者情報の開示を受けることができました。

田村 宗久弁護士からのコメント

発信者情報の開示請求が認められるためには、まず、裁判官に対し、問題投稿がその人(被害者)のことを言っていることを説明する必要があります。
しかし、インターネット上の誹謗中傷において、投稿者が対象者(被害者)のフルネーム等を記載したうえでその短い投稿の中でさらに誹謗中傷を行うといったことは基本的にありません。
本件においても問題投稿自体は「副店長」と記載しているにとどまり、Xさんの名前については一文字も記載されていません。
こういった場合は、裁判官に対し、問題投稿が対象者のことを言っているということについて、掲示板のタイトルや前後の一連の投稿等を手掛かりにして丁寧に説明する必要があります。
本件では、裁判所が「副店長」という言葉がXさんのことを指すということを認めて、結局、開示を受けることができました。
なお、削除請求も別途行い、問題投稿は削除されました。